魅惑のインドネシア④(最終)
2017年5月5日14:50
日本にいると今一地域代表の民主制がピンとこないんですよね。地方か都市かという差はあれど,あんまり歴史や文化などに違いがないからか,それほど地域によって利害が対立する感じがしない。そんなことを考えていると,テレビやネットで沖縄の基地問題なんかがクローズアップされて,ああやっぱり地域代表って大事なんだなと考えさせられる訳です。
他方で,インドネシアはというと,建国したときから多数の島国で構成されていて,多くの民族・部族がいます。宗教こそ,イスラム教が多数派ですが,キリスト教や仏教など多様な宗教が混在している。つまり,地域によって利害の対立がより先鋭的ということです。何がいいたいかというと,インドネシアはとっても民主主義と親和的な国のようだということです。
実際,国民も民主主義的活動にとても意欲的なようで,私たちが滞在していた期間も,大統領邸前では非常に大規模なデモが行われていました。なんでも,インドネシアの選挙の投票率は90%超なんだとか。このように,インドネシアって実はとってもデモクラティックな国なんだということが短い時間でも感じたわけです。
他にも,インドネシアの法律をみていくと,例えば,インドネシアの労働法は非常に労働者保護に手厚いわけです。これは,国民の目が常に立法府に向けられている結果なのかもしれません(訪問した法律事務所ではそういった推測がありました)。
そういえば,PERADIとKAIの2つの弁護士会が分裂した背景も,分裂した派閥はPERADIの選挙のやり方に納得がいかなかったという説明がありました。その説明を聞いたときは正直,“何だか後付の理由だなぁ”なんて思っていましたが,インドネシアの人々の性格からすれば選挙の方法は極めて重要であり,そこに不満が出るのは不自然なことではないのではないかと感じました。
ジャカルタの街の雰囲気は,悪くないです。観光客にとってはタクシーが最良の交通機関となるでしょうが,ブルーバードというタクシーを選べばぼったくられるという雰囲気はないです。どうしてもアジアの都市に行くと,昔行ったマニラと比べてしまうのですが,マニラより怖い雰囲気の都市はないですね。
日本と比べてしまうと,何と言っても若者が多くて賑やかで羨ましくなってしまいます。現在,ジャカルタは1000万人以上の人口がいるということですが,ますます発展していくことでしょう。しかし,ジャカルタ最大のモールに行くと,やはり華僑系の方々が目につきます。経済構造も推して知るべしというところでしょうか。
ジャカルタ料理は,有名なところではナシゴレンやミーゴレン。宗教上の理由から豚を食べないので,鳥肉が多いです。食卓にはかならずサンバルソース(チリソース)が置いてあります。デポック市のロッテリアには,チリソースの蛇口がありました。
私にはこのサンバルがとっても好きな味で,パパイヤという現地でも人気の日系のスーパーで買い込んできました。端的に言ってしまえばキムチの味ですが,やみつきになります。
んー,インドネシアはやっぱりとっても魅惑的。
そんな感じでした。でわでわ。
弁護士 金 井 健