福祉関係者と弁護士の連携体制について⑲
~多職種で学ぶ,実践事例検討会~
板橋俊幸 2015年9月3日 11:30
弁護士板橋です。
先日,星野弁護士とともに,群馬県地域包括・在宅支援センター主催の研修会に講師として参加して参りました。
今回のセミナーは,主催者の意向もあり,センターの会員のみならず,非会員の方々も多数参加しておりました。一日がかりの研修でしたが,大勢の方が主体的に熱心に参加されていた姿が印象的でした。
午前中は,「介護に役立つ法律の基礎」と題して講義をさせていただきました。
「契約に関する疑問」と題して15問に及ぶQ&A方式(板橋担当),「成年後見制度でできること」と題して成年後見人が実際にどのような活動をして困難事例と向き合っているのか(星野弁護士担当),について弁護士としての実体験を踏まえながら話をさせていただきました。
以下は内容の一部になります。
<契約に関するQ&A>
・契約書・重要事項説明書・個人情報使用同意書,各書面の署名,捺印の意味の相違
・利用者に判断能力が無い場合,利用者に代わり家族が利用者欄に記名押印できるのか否か
・家族が家族欄に署名捺印をする意味
・身元引受人・身元保証人と家族・親族の責任の違い 等々
<成年後見人の具体的な活動制度>
・地域包括支援センターからの紹介で関与した,在宅介護を希望していた老々世帯への関与状況
・いわゆるゴミ屋敷(借家)で生活をする独居高齢者への関与状況 等々
午後は,11班に分かれて事例検討をしていきました。
我々は,事例検討をしている各班を回り,個別の質問を受けたり,考える視点を提供させていただいたりしました。
事例の内容からすると,弁護士として何か特別な対応ができるものではありませんでしたが,様々な視点からのアプローチ方法が出てきて,大変有意義かつ盛り上がりのある検討会になりました。
なお,後日談ですが,研修を受講された方々より,別途個別のご質問やご相談を受けております。我々弁護士としては,この様な繋がりができることに,研修会の講師をやった意義を感じます。
ネットワークを広げていき,多職種が繋がりをもつことが,高齢者を取り巻く問題へ総合的に対応できるチームを作ることになると信じております。
繋がり方にルールはありません。職能団体や所属団体の研修や勉強会であろうが,知り合いの知り合いであろうが,出会いは大切にしたいものですね。
一日がかりの研修会でしたが,とても楽しく且つ有意義なものでした。我々もたくさん勉強させていただきました。
弁護士法人龍馬HP http://www.houjinryouma.jp/