福祉関係者と弁護士の連携体制について⑨
~福祉現場における個人情報保護研修~
2014年09月09日 13:34 板橋俊幸
弁護士板橋です。
先日,舟木弁護士とともに,前橋市地域包括支援センター南部において,高齢者福祉に携わる多職種の方々に対して,個人情報保護に関する研修の講師をさせていただきました。自治会長,民生委員,ケアマネージャー,介護事業所,病院,社会福祉協議会,市役所職員等々,大勢のご参加をいただきありがとうございました。
2003年(平成15年)に個人情報保護法が成立し,2005年(平成17年)4月1日に法律が全面施行されました。これを機に,様々な分野で個人情報に対する過剰な反応がなされ,必要な情報を共有することが出来ず,支障を来す場面が増えております。
国や地方公共団体では,各種ガイドライン等を作成し,ホームページ上で公開しております。しかし,まだまだ,国民・市民への適切な周知がなされているとは思えません。早期に周知の対策が取られることを望みます。
さて,福祉現場における個人情報保護については,厚生労働省より3種類のガイドラインが作成されております。
① 医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン
(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/seisaku/kojin/dl/170805-11a.pdf)
② 福祉関係事業者における個人情報の適正な取扱いのためのガイドライン
(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/seisaku/kojin/dl/161130fukusi.pdf)
③ 福祉分野における個人情報保護に関するガイドライン
(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/seisaku/kojin/dl/250329fukusi.pdf)
これらは,個人情報保護法に基づき,福祉分野における個人情報の取り扱いについて詳細に解説がなされております。個人情報を取り扱う方は,是非一読いただきたいと思います。
研修会では,前半は,舟木弁護士が個人情報保護法について概説講義をさせていただき,後半は,板橋が事前にいただいた質問事項に対して解説をさせていただきました。
ご質問いただいた事項からは,個人情報の取得時の対応方法,個人情報の第三者提供の時の対応方法等,個人情報の取り扱いに関して,現場での大変な苦労が窺えました。
特に,各事業所・法人等において,利用者や利用者家族から個人情報を取得する場合に,どのような説明がなされているのかによって,その後の個人情報活用時に大きな違いがでます。
適切な説明がなされていないことにより,利用者家族とトラブルになってしまった事案が散見されます。他方で,適切な説明がなされることによって,利用者・利用者家族と信頼関係が強まる結果となる場合も多数存在しております。
個人情報の取り扱いについて,事業所や法人内でルールを作成し,研修を行うことは,本来の業務について多くの気づきを与えてくれます。本当にオススメです。
弁護士法龍馬では,研修会の講師や事業所内の個人情報取り扱いのルール作りに協力させていただきます。ご要望がありましたら是非ご連絡ください。
弁護士法人龍馬HP http://www.houjinryouma.jp/