福祉関係者と弁護士の連携体制について25
2020年11月13日 9:40 板橋俊幸
~群馬県作業療法士会
『認知症ケア資質向上のための研修会』に参加して~
弁護士板橋です。
先日、群馬県作業療法士会が主催する、『認知症ケア資質向上のための研修会』において、「認知症とリスクマネジメント」と題する内容で研修講師をさせていただきました。一昨年も講師のお声がけをいただき、2度目の参加となりました。私の講演の後には、医療法人あずま会大井戸診療所の大澤誠医師による、認知症に関する講演もありました。
私は、高齢者や障害者の方々への法的支援を日常業務の一つとしております。
通常、我々弁護士は、法的問題を抱えた方からご相談をいただき、個別に対応して参ります。すなわち、我々弁護士は、相談を「待っている」状態にあります。しかし、高齢者や障害者は、法的問題を抱えていても、自ら弁護士へ相談することは非常に難しいといえます。私の場合、高齢者や障害者を支援している方々が、繋いでいただくことが殆どです。
そのため、支援者の方々に、高齢者や障害者が陥りやすい法的問題を知っていただき、その兆候があった場合に、弁護士へ繋いでいただく仕組みを作る必要があると考えております。そこで、今回のような研修講師に呼んでいただけることは非常に有難いと感じております。
高齢者や障害者が快適に日常生活を送るためには、医療や介護等の連携は必要不可欠です。しかし、高齢者や障害者が、自らの権利を行使したり、権利侵害から守られたりすることは、日常生活を送るうえで非常に重要です。
我々弁護士も含め、高齢者や障害者を支援する立場にいる方々においては、自らの専門領域を超えた問題に遭遇した場合には、その問題に対応できる専門職等と適切に連携することが、支援者として求められる資質であると考えております。
充実した支援体制を構築するためには、専門職個々人や事業所が、自らのネットワークを広げていくことが大切です。また、そのためには、連携先の専門性や業務内容を理解することが大前提となります。大上段からの「連携推進」ではなく、現場で働く方々がリアルに連携できる関係性を構築するためには、外の世界を知る必要があります。
(自戒を込めて)支援する側にいる皆さん、リアルに繋がりましょう!