福祉関係者と弁護士の連携体制について⑤
2014年06月19日 15:13 板橋俊幸
弁護士板橋です。
先日,弁護士星野とともに,一般社団法人群馬県介護支援専門員協会富岡・甘楽支部会員の方々への研修会に講師として参加させていただきました。
大雨の中,大勢の会員の方々にお集まりいただきありがとうございました。
研修会の前半は,弁護士星野による「成年後見人の役割」について,後半は板橋による「ケアマネージャーと弁護士の連携」についてお話をさせていただきました。
研修内で,「業務に関して,弁護士へ相談したことはありますか?」と尋ねたところ,数名の方しか相談経験はありませんでした。
ケアマネージャーの皆さんは,日頃,弁護士との接点を持つことは殆どないようです。また,「そもそも,福祉関係で弁護士へ相談するとの発想がない」との話もありました。
裏返せば,福祉分野へ取り組む弁護士の数が極めて少ないことの現れではないでしょうか。
研修内で話をさせていただいたように,高齢者の日常には,法的問題が多数存在しております。その為,高齢社会において,弁護士が積極的に福祉分野へ取り組むことが必要であると痛感しました。
さて,研修会後にアンケートをお願いしました。結果の一部を公表させていただきます。現場で活躍されるケアマネージャーによるご回答ですので,今後の弁護士活動に大変参考になるものでした。
①成年後見制度に関する研修を受けたことがありますか?
はい:51% いいえ:49%
※約半数の方が研修すら受けたことがなく,成年後見制度を必要としている高齢者を制度利用へ導くことが難しいことが窺えます。福祉関係者への積極的な普及啓発が必要でしょう。
②家庭裁判所への成年後見人選任申立へ関与したことがありますか?
はい:5% いいえ:95%
※実際の手続への関与まではなかなか繋がらないようです。制度を理解していただき,適切に手続へ繋げていただけるようサポートが必要でしょう。
③身近に成年後見人をつけた方がよろしい高齢者はおりますか?
はい:23% いいえ:77%
※「独居の認知症患者で協力してくれる近親者がいない方」への必要性を感じている方が複数おりました。近親者がいる場合でも成年後見制度は必要になります。継続的な見守りの中で成年後見制度利用へ繋ぐことが必要でしょう。
④今後連携を取りたい職種は?
「法律専門家・弁護士」を挙げる方が多数おりました。
⑤今後弁護士から話を聞いてみたいテーマは?
「介護事故等のリスクマネジメント」を挙げる方が多数おりました。
また,研修内で触れさせていただいた,「法テラスの利用方法」や「虐待への対応」等もありました。
ケアマネージャーは,介護のプロフェッショナルであり,各種専門職へ繋ぐ最適なコーディネーターでもあります。
より良いケアマネジメントを作成するには,当該高齢者の抱える問題を把握し,適切に対応することが必要です。日頃から,外部へのアンテナを高く張っていただき,ケアマネジメントに役立つネットワークを広げていただきたいと思います。
今後,富岡・甘楽地域において,福祉関係者との連携を深めて参ります。
弁護士法人龍馬は,群馬県内津々浦々に福祉関係者とのネットワークを構築することを目標としております。
弁護士との連携をお考えの福祉関係者の皆様,是非,弁護士法人龍馬(電話:027-372-9119,担当:弁護士板橋)へご連絡をください。
相互に協力して高齢者の抱える問題の解決に取り組みましょう。
弁護士法人龍馬HP http://www.houjinryouma.jp/